南の虹のルーシー・各話紹介（３６

あらすじ

ルーシーは、シルバーと睨み合っていたリトルに、「やめなさい！」と止めた。デイトンは、ペティウェルに、絶対に出て行かないと言った。ルーシーとケイトは、デイトンをアンガス通りの家に連れて行った。デイトンの診察では、足の骨にひびが入っていて、治るまで１か月かかるとのこと。アーサーはその間、働きに出れなくなった。クララは、アーニーに、「我が家は神様から見放されたんじゃないか。」と言う
ルーシーは、学校で授業中におしゃべりをした罰として、授業が終わった後も水の入った花瓶を頭に乗せられたまま立たされていた（とうとう耐えられず泣き出してしまう。）。やっと許してもらったルーシーは、帰り道、公園で、シルバーを連れて散歩中のペティウェルを見かけて、隠れるため木の上に登った。ルーシーは、鳥の巣を見つけた。なんと、その中に５シリング硬貨が入っていた。お金を取ったルーシーとケイトは、キャリングトン通りに買い物に出かけた。そのとき、クララを見つけて後をつけた。すると、クララは、洋服の生地を作る店に入った。二人は中を覗こうとしたが、クララはすぐに出てきた。二人はその店に入った訳を聞いたが、クララはなかなか教えてくれなかった。やっと、クララは秘密を守ることを条件に二人を店の中に入れた。クララは、毎月少しずつ支払いをして花嫁衣装の生地を買おうとしていたのだ。二人はその美しさにすっかり見とれてしまった。店の人から、あと５シリングで支払いが終わると聞いたルーシーは、持っていた５シリング硬貨で支払いをした。花嫁衣裳はクララのものになった。

ルーシーとケイトの名（迷）言集

デイトンに飲めないのに酒を勧められて、ジョンがむせて、
ジョン「今度はちゃんと飲むよ。ほらね。」
デイトン「立派、立派。」
ルーシー「ばかみたい。」
そこへケイトが入ってきて
ケイト「今なんか騒いでいたでしょ」
ルーシー「ジョンがお酒を飲んだの。」
ケイト「なんーだ。」

キャリングトン通りに買い物に出かけたとき、
ルーシー「なんでもいいから素敵なものが買いたいのよ。なにしろ私が初めて稼いだお金なんですもの。」
ケイト「なによ。拾ったんじゃない。」
（中略）
ケイト「ケーキはどう？（以下略）」
ルーシー「でもケーキって食べるとなくなっちゃうでしょ。」
ケイト「当たり前じゃない。」
ルーシー「なんだかもったいないわ。」
ケイト「勝手にしなさい。」

第３７話「草原の強盗団」

あらすじ

ポップル一家は、南オ－ストラリアにやってきて４度目の夏が来た。働けないアーサーは、庭で畑仕事をしている。ルーシーも明日から夏休み。学校の帰り道、鳥の巣の中で５シリングを見つけたことを思い出し、その巣のある木に登ってみた。しかし、そんなことがまたあるわけはなかった。木から下りようとしたルーシーは、ペティウェルの召し使いアダムが怪しい男と木の下を通り過ぎるのをみた。ベンが馬車で町の役所にお使いに行ったついでに家に寄った。ベンは、家にはほとんどお金がないことを知った。
ルーシーは、町の通りでアーサーの足の様子を見に行く途中のデイトンと出会った。デイトンのところには、アダムが早く出て行くように催促に来ているとのことだった。
ベンは、ルーシーとケイトを馬車で港まで連れて行ってやった。ペティウェルもアダムと一緒に馬車で港に行った。港は３年前とはずいぶん変っていた。３年前上陸した海岸でルーシーとケイトは、希望に燃えていた当時のことを思い出し、ふたたび海岸を踏みしめた。
ルーシーとケイトは、町に帰るため乗合馬車に乗った。途中、ペティウェルの馬車が故障で立ち往生していた。ペティウェルは、アダムに命じて乗合馬車を止めさせて、アダムと一緒に乗った。そのとき、ペティウェルが連れていたシルバーは、置いて行くことにした。しばらく走ったところで乗合馬車が３人組の強盗に襲われた。強盗は、ペティウェルに、乗客の金と宝石を集めるように命令した。そのとき、強盗がアダムが抱えていた鞄に目をつけた。ペティウェルは「渡せん。」と、アダムが落とした鞄にしがみつき抵抗した。強盗は、１０数えるうちに渡せと鉄砲をペティウェルに向けて数を数え始めた。ルーシーは、アダムが怪しい男と一緒に歩いていたことを思い出して震えていた。

ルーシーとケイトの名（迷）言集

ベンと港に行く途中で
ベン「ケイト、今うちは大変なときなんだ。うちにいるおまえはできるだけ父さんや母さんの手助けをしてくれ。」
ケイト「ええ。」
（中略）
ベン「頼むな。」
ルーシー「えへん。」
ベン「どうした。ルーシー」
ルーシー「私だって手助けできる。」
（中略）
ベン「おまえはまだ小さいから。でも頼むな。」
ルーシー「私を一人前に扱わないとひどいわよ。」（ベンの首を絞める。）

ペティウェルの馬車に追い越されたとき
ケイト「悔しいわ。」
ルーシー「ちくしょう！」
ベン「そんな汚い言葉を使っちゃいけないよ。ルーシー。」
ルーシー「おにーちゃん、今何回も使ったわ。」
ベン「あれは・・・。僕は男だからいいんだ。ちくしょう。」
ケイト「ちく・・・悔しい。」
ルーシー「ちく・・・しょう。」

第３８話「ルーシーは名探偵」

あらすじ

強盗団は、ペティウェルの５万ポンドの入った鞄と他の乗合馬車の乗客のお金・宝石を奪って去って行った。しかし、ルーシーはまだ震えていた。馬車が見つかったので、ルーシーとケイトら乗客は無事にアデレードに帰ることができた。乗合馬車の運転手は、警察の前に馬車を止めて、警察に強盗に襲われたことを訴えた。クララから、乗合馬車が強盗に襲われたことを聞いたアーニーは、警察までルーシーとケイトを迎えに行った。ルーシーとケイトは、アーニーの姿を見つけると、駆け寄って抱き付いて泣いてしまった。
家に帰ったルーシーは、みんなに、アダムが強盗団の仲間と歩いていたのを見たことを話した。アーサーは、さっそくその話をするため警察に行ったが、クラーク警部は証拠がないと言ってルーシーの話を信じてもらえなかった。証拠を見つけるため、ルーシーとケイトは、翌日からアダムを見張ることにした。何日か後、アダムが外へ出かけた。ルーシーとケイトは、リトルを連れて後をつけた。アダムは、デイトンの家に行って、出て行くように催促した。アダムは、それから川の方に行った。そして、岸辺の小屋に入った。中には強盗がいた。ルーシーが見張って、ケイトが警察に知らせに行くことにした。しかし、もう、クラーク警部がアダムの後をつけて、やって来ていた。クラーク警部は、アダムを油断させるためアーサーの話を信じないふりをしていただけだった。
ところが、応援の警官が到着しないうちに、強盗とアダムが小屋から出てきた。ルーシーは、リトルに命じてアダムたちを襲わせた。強盗の一人がリトルを撃とうと鉄砲を取り出したが、リトルは、その腕に噛みついた。そこに応援の警官が到着した。リトルは、強盗団を小屋の中に追い込んだ。強盗団は、全員逮捕された。
５万ポンドが戻ってきたペティウェルは、ルーシーにお礼として１００シリングをあげようとしたが、ルーシーは断り、その代わりデイトンを家から追い出さないように頼んだ。しかし、もう、デイトンの家は壊されていた。デイトンは、またポップル家に来ることになった。

第３９話「二つの別れ」

あらすじ

アーサーは、足は治っているのにこのところ酒ばかり飲んでなかなか仕事をしようとしなかった。そのうえ、ポップル家にはお金がほとんどなくなっていた。心配したクララとジョンは、デイトンに、アーサーに仕事をするよう説得するよう頼んだ。その日、デイトンは、ポップル一家に、２，３日後、ゴーラーに新しくできた診療所に行くことを話した。アーサーは、デイトンとジョンに酒をすすめたが、二人とも断った。クララは、思わず、アーサーに酒を止めるよう頼んだ。アーサーは、酒を止めることにした。
いよいよ、デイトンが出発する日が来た。ポップル家の前から迎えの馬車に乗って出発した。ルーシーは、馬車を追いかけた。家族の一員のようだったデイトンとのつらい別れだった。
お金のなくなったポップル家では、不要なものを競売に出すことにした。飼っていても乳を出すわけでないスノーフレイクも競売に出すことにした。アーサーとアーニーは、ルーシーに、そのことを話したが、ルーシーは、売らないでと頼んだ。アーニーは、代りのものがないか考えてみると言った。その夜、寝る前、ケイトは、ルーシーに、家のことを考えれば売るべきだと言った。
次の日、一人の男がポップル家に羊を見に来た。男は、アーサーの紹介でやって来たのだった。男は２ポンドで買うと言った。アーニーは、男に、代りに服を売ることにしたので羊は売らないようにしたと言った。ルーシーも、売らないと言った。その夜、アーサーは、アーニーに、やはりスノーフレイクを売ると言った。
その翌日が競売の日だった。リトルと外に遊びに家に帰ったルーシーは、スノーフレイクがいないことに気づいた。アーニーは、ルーシーに、アーサーが競売に連れて行ったと言った。ルーシーは、競売場に走って行った。そこでルーシーが見たのは、競売に掛けられているスノーフレイクの姿だった。ルーシーは、呆然としてアデレード橋の方へ歩いていた。ジョンが声を掛けても耳に入っていなかった。ルーシーがアデレード橋の上を歩いていると、向かいの北アデレードの方からやってきた暴れ馬の引く馬車にはねられた。ルーシーは、その場に倒れた。

第４０話「わたしは誰？」

あらすじ

橋を通りかかったプリンストンの御者が倒れていたルーシーを見つけた。プリンストンは、ルーシーの怪我の手当てをするため、ルーシーを馬車に乗せて連れて帰った。
リトルは、庭でスノーフレイクを探し回っていた。リトルとスノーフレイクはとても仲良しだったので、ケイトはリトルをかわいそうに思った。アーサーが笑顔で帰ってきた。スノーフレイクが３ポンドで売れたということだった。
プリンストンは、さっそくルーシーのために医者のジョーンズを呼んだ。ルーシーは、手当てが済んでもなかなか意識が戻らなかった。プリンストンの妻シルビアは、ずっとルーシーが寝ているベッドの側で、自分の子供を見ているように見守っていた。プリンストン夫婦は、以前、エミリーという女の子を亡くし、エミリーが生きていたとすればルーシーと同じくらいの年齢になっていたはずだった。シルビアは、子供を欲しがっていた。
事故から２時間が経っていた。やっとルーシーは意識を取り戻した。しかし、ルーシーは自分の名前も住んでいた場所も思い出せなかった。ルーシーはすっかり記憶を失っていた。ルーシーは、「私はいったい誰なんですか。」と涙声で言った。
ポップル家では、ルーシーが夜になっても帰ってこないので心配していた。ジョンが北アデレードの方へ歩いて行くルーシーを見たというので、アーサーとジョンは、リトルを連れてアデレード橋の方へ探しに行った。橋に着くとリトルが何かを見つけたらしく、橋の真ん中の方へ歩いて行った。そして、血痕を見つけて吠えた。しかし、そのとき雨が降り出し、血痕を洗い流してしまった。それでもリトルは吠え続けた。アーサーとジョンにはリトルがなぜ吠えるのか分からなかった。
ルーシーは、夕食を取っていた。しかし、記憶は戻らないままだった。

第３６話 「巣の中の５シリング」

第３７話 「草原の強盗団」

第３８話 「ルーシーは名探偵」

第３９話 「二つの別れ」

第４０話 「わたしは誰？」

第３６話「巣の中の５シリング」

第３７話「草原の強盗団」

第３８話「ルーシーは名探偵」

第３９話「二つの別れ」

第４０話「わたしは誰？」