南の虹のルーシー・各話紹介（３１

あらすじ

リトルは、薪を運ぶソリを引っぱったり、離れた場所にいるスノーフレイクを連れてくることができるようになった。
アーサーが、パーカーから牛車を借りてきた。家族で買う予定の農場を見に行くためだ。ルーシーとケイトは大喜び、リトルもついて行った。ポップル一家は牛車に揺られながら将来の夢を語り合った。農場は２０エーカーあり、イギリスにいたころの農場の５倍はある。近くの峠から農場を見たポップル一家は喜びと希望に胸を膨らませていた。アーニーは、農場を手放すことになるウィルソンの心情を思いやって、今日は会わないほうがいいと言った。
ペティウェルは、馬車を夫人に取られて機嫌が悪く、玄関先でハッピーを蹴飛ばした。逃げ出したハッピーはポップル家の方へ向った。そして、スノーフレイクに近づいて行った。ポップル一家が帰る途中、リトルが急に家の方向へ、走り始めた。ルーシーとケイトも後を追った。一方、ハッピーはスノーフレイクの足に噛みついた。それを見たデイトンは、ハッピーを踏みつけた。怒ったハッピーはデイトンの足にも噛みついた。再びハッピーがスノーフレイクに噛みついたとき、リトルがハッピーに体当たりしてスノーフレイクを助けた。それから２匹の犬の闘いが始まった。ハッピーがリトルの足に噛み付くと、リトルもハッピーの首筋に噛みついた。ついに、リトルはハッピーを倒した。デイトンは、リトルに、もう離してやれと叫んだ。
帰り着いたルーシーとケイトは、デイトンからいきさつを聞いた。ハッピーは、ペティウェル家に戻ったが、すぐにペティウェルの目の前で倒れて死んでしまった。怒ったペティウェルは、リトルを鉄砲で撃ち殺すと言って、ポップル家にやってきた。アーサーは、ハッピーの方に非があると言うが、ペティウェルは納得しない。そこへデイトンが出てきて、ペティウェルに文句を言った。デイトンの話を聞けばペティウェルも引き上げざるをえなかった。ペティウェルは仕返しをしようと決めた。

第３２話「虹の橋のたもと」

あらすじ

スノーフレイクの足の傷はたいしたことなかった。しかし、デイトンの足の傷はひどく痛んだ。
今日は、農場の売買契約をする日だった。アーサーとベンはウィルソンの家に出かけた。ポップル一家はみんな農場が手に入ることを疑っていなかった。
ルーシー、ケイト、クララは、大通りへ買い物に出かけた。クララは、郵便局へ寄った。ジョンからの手紙が届ていた。クララは何度も読み返した。ジョンは、約束どおりオーストラリアへやってくる、そして、その時期はこの手紙が着くのと同じころだとのことだった。
アーサーの牛車をペティウェルの馬車が追い越した。アーサーは急に不安になった。ウィルソンの家に着いたアーサーは、そこから出てきたペティウェルと会った。ペティウェルは急いで帰って行った。ウィルソンと会ったアーサーは、ペティウェルと売買契約をしたことを聞かされた。ペティウェルは、アーサーより５００ポンド高い金額で買ったのだった。アーサーには、さらに５００ポンド出すことはできず、あきらめざるをえなかった。
そんなこととは知らず、アーニー、クララ、ケイトはお祝いの用意をしていた。雨が降り出し、落ち込んで帰る途中のアーサーとベンはすっかり濡れてしまった。帰り着いたアーサーは、ペティウェルに土地を譲ってくれるように頼んでみたが無駄だった。ポップル一家にとってオーストラリアに来てから一番悲しい日になった。これがペティウェルの仕返しだった。雨が上がり、ポップル一家は、虹を見ていた。とてもきれいな虹だった。アーニーは、いつかはあの虹の橋のたもとへ行くことができる、それまで頑張りましょうとみんなを励ました。みんな気を取り直した。そこへジョンが弟のポールと一緒にやってきた。
それから２年後、アデレード橋が開通した。ルーシーとケイトは、リトルを連れて開通式を見に行った。この２年でアデレードの町も大きくなった。ルーシーは１０歳、ケイトは１３歳になっていた。

第３３話「失われた夢」

あらすじ

ポップル一家は、オーストラリアに移住して３年経っていた。１年前、町中のアンガス通りに引っ越していた。アデレード橋の開通式を見に行ったルーシーとケイトは、以前住んでいた家に行ってみることにした。そこには、まだデイトンがいた。トブも言葉がしゃべれるようになった。ルーシーとケイトは、途中、バーナードに会い、測量総監督用の馬車に乗せてもらった。ライト大佐は去年亡くなり、チャールズ・スタートが測量総監督で、バーナードはその秘書をしていた。ルーシーたちが以前住んでいた家に着くと、ちょうど、ペティウェルが引越しするところだった。ペティウェルの引越し先はアンガス通りだった。リトルがうなるので、ルーシーらがその方向を見ると、ペティウェルはシルバーと名付けたブルドッグを飼っていた。以前の家はワトソンという人に売ったのだが、そこには誰も住んでいなかった。デイトンの話では、ペティウェルがその周辺の土地を買い占め、そこに住宅を建てて売るつもりだということだった。デイトンも立ち退きを求められていた。デイトンは出て行くつもりはなかった。アデレードは大きくなったが、土地が値上がりして、ポップル一家には土地を買う見込みはなかった。アーサーは、石切りや道路造りの仕事をしていた。
ルーシーとケイトは、マックのパン屋に寄った。クララはそこで働いていた。クララは、今晩、ジョンと「ロミオとジュリエット」のお芝居を見に行くつもりだった。しかし、クララは、アーサーが許してくれるかどうか心配だった。アーサーは偏屈になっていた。ジョンは大工をしていた。ベンは、港の税関で働いていた。港まで乗合馬車が運行していて、ベンは明日休みなので乗合馬車で帰ってきた。トブは鍛冶屋の仕事に興味を持ってよく見に行っている。
クララとジョンがアーサーにお芝居を見に行きたいとお願いしたが、子供にを悪い影響を与えるとして許してくれない。そこで、ベンは、農業について新しい考えを持っているのにお芝居に対して古臭い考えをもっているのはおかしいと説得した。アーサーは、お芝居に行くことを許した。
ベンは、ルーシーとケイトに、医者になることはあきらめた、百姓でいい、と言う。しかし、今のポップル家には土地を買うお金がない。百姓にもなれないのだった。

ルーシーとケイトの名（迷）言集

ケイト「あんた、「ロミオとジュリエット」を知らないの。」
ルーシー「知らない。」
ケイト「あの有名なシェイク・・・えーと・シェイクピアじゃない、シェイコじゃない・・・シェイ」
ベン「シェイクスピアだろ。」
ケイト「私、今、シェイクスピアと言おうとしたのよ。」
ベン「そりゃー悪かったな。」
ケイト「ロミオとジュリエットはシェイクスピアが書いた有名なお芝居なの。わかった、ルーシー！」
ルーシー「よーく分かったわ。」

第３４話「リトルと学校」

あらすじ

アーサーは、給料がいいのでマウント・ロフティに石切りの仕事をしに行くことにした。家には土日しか帰ってこない。ルーシーは、学校に通わされている。ルーシーは勉強したくないので学校に行きたくない。ルーシーは、リトルを学校に連れて行きたいが、アーサーに反対される。ルーシーとアーサーは一緒に家を出た。リトルもついてきたが、アーサーに言われてリトルに帰るように命令した。いったん帰ったリトルはまた家を出て行った。
ルーシーは、学校でリトルを待っていたところ、ルーシーの思ったとおりリトルがやってきた。ルーシーは、自分が先生に叱られてもおとなしくしているように言い付けるが、リトルは、ルーシーが勉強ができず先生に叱られてばかりいるのを見て落ち着かない。とうとう我慢できなくなったリトルは、吠えて窓から先生に飛びかかろうとした。学校の帰り、ルーシーは、リトルに、「もうお前は絶対学校に連れて行かないわよ。」と言う。
アーサーが働いていた石切り場で発破の影響で落石事故が起こった。気づいたアーサーは、みんなに逃げろと大声をだした。クララは、マックのパン屋で、客から石切り場の事故のことを聞いた。現場へ行く道は通行止めとのこと。夜になってもルーシーたちにはアーサーの消息は分からなかった。

第３５話「対決」

あらすじ

夜、アーニーはアーサーのことが心配で落ち着かない。リトルもそれを感じてなかなか眠らない。事故のことを調べに行ったジョンが戻ってきた。ジョンの話でもアーサーのことは分からなかった。翌日、ペティウェルに馬車を借りて様子を見に行くことにした。しかし、ペティウェルは馬車を貸してくれなかった。ジョンとクララは、馬車を貸してもらえる人を探しに行ったが、なかなかそういう人は見つからなかった。乗合馬車で帰ってきたアーサーがジョンとクララを見つけて声をかけた。アーサーは、怪我人を背負ったとき足をひねったということだった。
ルーシーとケイトは、デイトンを呼びに行った。そのとき、二人は、以前住んでいた家が燃えているのを見た。その家を買ったペティウェルが燃やすように指示したのだった。火を付けた男たちは、デイトンが住んでいるレンガの家もいずれ壊すと言った。そこへペティウェルがやってきた。リトルはシルバーとにらみ合った。ルーシーは、しばらく見ていたが、やがて「やめなさい、リトル！」と命令した。

第３１話 「リトルと黒い犬」

第３２話 「虹の橋のたもと」

第３３話 「失われた夢」

第３４話 「リトルと学校」

第３５話 「対決」

第３１話「リトルと黒い犬」

第３２話「虹の橋のたもと」

第３３話「失われた夢」

第３４話「リトルと学校」

第３５話「対決」