南の虹のルーシー・各話紹介（４６

あらすじ

トブを探しに行ったケイトが「あー」と言う叫び声あげた。ケイトは試し掘りの穴に落ちたのだった。そこにはトブもいた。トブは気絶していて、ケイトとぶつかってトブも意識を取り戻した。ケイトは、トブを頭の上に乗せてトブを先に穴から出そうとした。２度目の挑戦でトブはやっと穴から出た。しかし、ケイトは穴から出ることができない。ルーシーは、大人の人を探しに行った。
鉱山と社宅を見たアーニーは、社宅が狭い、学校がない、なにより鉱山の仕事が危険だという理由でアーサーに再考を促した。アーサーは、ここで働くのがいいと考えていた。
ルーシーが、アーサーのところに助けを求めに来た。ケイトの落ちた穴には横穴があり、そこから何かの泣き声が聞こえてきた。アーサーたちが駈けつける途中、ケイトの悲鳴が聞こえた。横穴から出てきたのはウォンバットの子供だった。ケイトは、ほっとして笑い出した。ルーシーは、ウォンバットを飼いたくてうちに連れて帰った。
アーサーたちが出かけているときにシルビアが訪ねてきた。留守番していたクララが応対した。シルビアの話によれば、その鉱山会社はプリンストンが投資をしている会社だった。シルビアはルーシーに会いたかったようで、「ルーシーをぜひ遊びによこしてください。」と言って帰った。その話を聞いたアーサーは、翌日、ルーシーを連れてプリンストン家へ行くことにした。
ルーシーは、ウォンバットに「ファニー」という名前を付けた。ケイトは、その日、熱を出して病気になった。翌日、アーサーとルーシーは、プリンストン家に出かけた。ケイトは、プリンストン家に付いて行きたかった。プリンストンはアーサーを書斎に案内した。ルーシーは、シルビアと庭に出た。プリンストンは、鉱山で働くのをやめてプリンストン農場で働くことを勧めた。一方、シルビアは、ルーシーに、「あなたがこの家にこれから先ずっといてくれたらとても幸せ。」と言った。

第４７話　「とうさんの決意」

あらすじ

プリンストン家に招かれたアーサーは、プリンストンから農場の建て直しのため力を貸して欲しいと頼まれた。プリンストンは、アーサーの農業に対する考え方に共感していた。帰りの馬車の中で、ルーシーは、アーサーに、「鉱山へ行くよりずっとその方がいいじゃない。」と言うが、アーサーは、「いろいろ考えたいんだ。」と言ってはっきり返事をしなかった。
帰り着いたルーシーは、ケイトに、プリンストン家での話をした。しかし、あの家に一人で行くのが怖いとも言った。庭でシルビアと話をしていたとき、シルビアは、「あなたを帰したくないわ。私の子にならない。私のエミリーに戻って。」と言って、ルーシーを強く抱きしめたのだった。
アーニーは、アーサーに、鉱山で働くより農場で働くことを勧めるが、アーサーは、他人の農場では働きたくない、農場の話を断れば鉱山でも働けない、と言う。
ルーシーは、庭で、ファニーの様子を見ていたが、リトルに驚いたファニーは、表通りの方へ走って行った。そこへちょうどぺティウェルの馬車が通りかかってファ二ーを轢いてしまった。ケイトは、ルーシーに、野生の動物はそのままにしておいた方がいいと言う。ルーシーは、泣きながらファニーの墓を掘った。
ジョンがクララとの結婚の許してもらったお礼に駆けつけた。アーサーは、ジョンやクララにもプリンストン農場で働くつもりはないという。
翌日、アーサーは、プリンストン家を訪ねた。アーサーは、プリンストンに、断りを言った。そのとき、ペティウェルが農場を買うためプリンストン家にやってきた。プリンストンは、アーサーに、農場をペティウェルに売るかもしれないと言った。それを聞いたアーサーは、考え直し、農場で働くことを承諾する。
アーサーは、プリンストン家で酒を飲んでいて、帰り道、鼻歌を歌いながらうちの方へ歩いていた。後ろからクララが「お酒くさい。」と声をかけた。クララがどうして飲んだのか尋ねると、アーサーは、「うれしいからさ。」と答えた。うちに帰ってから、アーサーは、夕食の前に、家族に、プリンストン農場で働くこと、家族で農場へ移ることを報告した。ルーシーは、ゴーラーの学校に通うことになると聞いてがっかりしたが、久しぶりに楽しい食事だった。

第４８話　「大金持ちの子に・・・」

あらすじ

ベンが港から帰ってきた。アーサーからプリンストン農場で働くと聞いて、ベンも納得する。翌日、プリンストンが農場を案内することになっていた。しかし、プリンストン家の御者マックスから、シルビアが病気で行けないので農場へは日を改めて案内する、と言われ、ポップル一家はがっかりする。
プリンストンが、農場行きを中止したのは、今の農場の責任者ピークスから話を聞きたかったからだった。プリンストンは、病気で寝ているシルビアに、きょうはポップル一家を農場に案内する予定だった、と話をすると、シルビアは、ポップル一家に土地を譲ってほしいと言う。
港に帰るベンを見送った帰り、ルーシーとケイトは、ポップル家へ向かうプリンストンと会った。プリンストンは、ルーシー、ケイト、トブを馬車に乗せて、マックスに町を回ってくるように言った。リトルが付いてくるのでルーシーは馬車を降りて家に帰った。
プリンストンは、アーサーとアーニーに、まず、事情が変わってすぐに農場を見に行く日が決められない、と言った。それから、しばらく言いにくそうにしていたが、思い切って、ルーシーを養女にしたい、と言った。帰り着いたルーシーは、その話を聞いてしまった。

ルーシーとケイトの名（迷）言集

農場を見に行く予定の日の前夜
ケイト「私、ぜんぜん眠くないわ。プリンストン農場ってどんなかしらね。」
ルーシー「そうね、きっとそうね。」
ケイト「なにがそうねなの。」
ルーシー「明日はお弁当を持って行くのよね。」
ケイト「話が噛み合わないわ。」
ルーシー「おやすみなさい。」
ケイト「あんた、眠れるの？」
ルーシー「そうみたい。」
ケイト「変な子ね。」
その後もケイトはルーシーにいろいろ話しかけるが、ルーシーが眠ってしまい、
ケイト「とうとう眠っちゃた。いま、いったい何時なのかしらねー。」
ケイトは、部屋をうろうろして、「私、ちっとも眠くないわ。」

翌朝、
ルーシー「おねーちゃん、おねーちゃん、起きなさいよ、いつまで寝てるつもり。」
ケイト「私眠いのよ。もう少し寝かせといて。」
ルーシー「それじゃあ、おねーちゃんはお留守番をしているの？」
ケイト「お留守番？」
ルーシー「もうすぐプリンストンさんがお迎えにくるわ。私たちは農場に行くんじゃなかったの？」
ケイト「あー！もう朝ご飯たべたの。」
ルーシー「みんなテーブルについて待ってるわ。」
ケイト「あーん、なんで早く起こしてくれなかったの。」
ルーシー「何いってるのよ。何度も起こしたわよ。」
ケイト「あら、そう。」

港に帰るベンを見送りに行く途中
ケイト「奥さんの病気がそんなに悪いのかしら。（中略）あんたはお見舞いに行かなくてわね。（略）。」
ルーシー「プリンストンさんが当分来ないようだったら私行ってみる。」
ケイト「私も付いて行ってやるわ。」
ルーシー「いいわ。私一人で。」
ケイト「いいわよ。北アデレードは遠いから。」
ルーシー「たいしたことないわ。」
ケイト「でも私が付いてってやるって。あんたはぼんやりしてるから。」
ルーシー「けっこうよ。」
ベン「相変わらずだなー、おまえたち。」
ベンが馬車に乗って
ベン「おまえたち、あんまりくだらんことで喧嘩するな。」
ケイト「私は悪くないわ。」
ルーシー「私だって悪くないわ。」
ケイト「そうかしら。」
ルーシー「おねーちゃんでしょ、いつも自分勝手なのは！」
ケイト「あら、あんたこそわがままなのよ！」
ベン「いいかげんにしろよ、おまえたち！」
ルーシー、ケイト「フン！」
ベン「勝手にしろ！」

その帰り道
ケイト「私、あのプリンストンさんの立派な馬車に乗ってみたかったのよね。」
ルーシー「つまらないこと考えるのねー。」
（中略）
ケイト「私は２頭立ての馬車なんか乗ったことないのよ。でも今度農場へ行くとき乗れるかな。」
ルーシー「今度は違う馬車だったりして。」
ケイト「いじわる。」

第４９話　「クララの結婚」

あらすじ

プリンストンは、アーサーとアーニーに、ルーシーを養女にもらえるのなら土地をさしげると言った。アーサーは、すぐに、「どんなに生活が苦しくとも子供を手放すことは考えられない。」と言ってプリンストンの申し出を断った。アーニーも同じ気持ちだった。話を聞いていたルーシーは、プリンストンが帰る前に「私を好きになっていただいてとてもうれしい。」とお礼を言ったが、「でも・・・。」と断りの態度を示した。アーサーは、プリンストンに、農場で働く話も断ってしまった。
屋敷に帰りついたプリンストンは、シルビアに、養女の話はだめだったことを話した。それでもシルビアはあきらめきれなかった。
秋になり学校が始まった。トブも１年生になった。アーサーは、建築現場で働いている。明日はクララとジョンの結婚式。クララは、花嫁衣裳を取りに行った。ルーシーとケイトは、クララに、着て見せてとせがんだ。クララは、自分の部屋へ着替えに行った。ベンも結婚式のために帰ってきた。そこへジョンが明日の打ち合わせのためやってきた。ケイトは、ジョンにクララの花嫁衣裳は今日は見ない方がいいんじゃない、といった。ルーシーとトブは、クララの部屋に行った。ルーシーは、花嫁衣裳を着ているクララを見て感動した。クララは、ルーシーが花嫁衣裳の代金に５シリング出してくれたことにお礼を言った。
翌日、クララとジョンは結婚した。ポップル家の裏庭で披露宴が行われた。マック夫人、バーナード、ジャムリング、パーカー、ビリーがお祝いに来ていた。夕方、パーティが終わり、人が帰ってしまうとポップル家は急に寂しくなった。
ポップル家にまたいつもの暮らしが戻ってきた。アーサーは、相変わらず建築現場で働いているが、また酒を飲むようになっていた。ある夜、ルーシーが、ケイトに、「いつか父さんが土地を手に入れて家族全員で働けるようになれると思う？」、と聞くと、ケイトは、「無理みたいね。このままではだんだん悪くなるばかり。」と言った。
次の日、ルーシーは、学校に行かず、一人でプリンストン家に行った。ルーシーは、さっそく、プリンストンに、思いつめた表情で「私をこのうちの子供にしてください。」と言った。そして、プリンストンに抱き寄せられたルーシーは泣き出した。

ルーシーとケイトの名（迷）言集

養女になることを断った日の夜
ケイト「あんた、どうじてプリンストンさんの養女になるって言わなかったの。」
ルーシー「もしおねーちゃんが私だとしたらどうした？」
ケイト「私があんただったら、もちろん・・・養女になんかならないわ、やっぱり。」

クララが花嫁衣裳を着ているのを待っている間
ケイト「だいぶ時間がかかているわね、おねーちゃん。」
ルーシー「花嫁衣装って着方がむずかしいんじゃないの？」
ケイト「さあ、やっぱりからだに入らないんと違うかしら。このごろおねーちゃん、少し太ったから。」

第５０話（最終回）　「虹に向かって」

あらすじ

シルビアは、ルーシーがプリンストン家の子供になりたいと言ったことを聞いてすっかり喜んでしまう。しかし、プリンストンには、ルーシーが本心で養女になりたいと言っていないことが分かっていた。プリンストンは、シルビアに、ルーシーは養女になればアーサーが土地を手に入れることができると考えてやってきたのだと説明した。ルーシーは、プリンストン夫妻に、父さんがすっかり希望を失ってかわいそうだと訴えた。シルビアもようやくルーシーの気持ちが分かった。そして、「きっといいことが起きるわ。それは今日かもしれないわ。」と言った。プリンストンは、ルーシーを家まで送って行った。
プリンストンは、アーニーに、ルーシーがプリンストン家に来たのは家族を幸せにしようとしてやってきたことを説明した。そして、ゴーラーの農場の未開墾の土地の一部を売りたいと言った。お金がないというアーニーに、プリンストンは、今住んでいる家を売って頭金を作り、あとは農場で働いて土地代に充ててもらえばいいと言った。
夕方、アーサーは、仕事から帰る途中、酒場に寄ろうとしたがやめてまっすぐ家に帰った。ルーシー、ケイト、トブが出迎えて、「きっといいことがある。」と言った。アーニーは、さっそく、アーサーに、プリンストンの話を伝えた。アーサーは、最初、信じられないという気持ちで聞いていたが、やっと自分の土地を手に入れることができることが分かり、アーニーと喜び合った。ルーシーは、アーサーに、「本当によっかたわね、父さん。私、うれしいわ。」と言った。ルーシーは、アーサーの胸に飛び込み、アーサーは、ルーシーを抱きしめた。
数日後、アーサーとルーシーは、プリンストンに案内されてゴーラーへ買う予定の土地を見に行った。リトルもついてきた。土地を見たアーサーは、「きっと立派なものにしてみせますよ。」と決意を述べた。それから、アーサーは、農場にあいさつに行った。ルーシーとリトルは外で待っていたが、リトルが急に、羊の放牧場の中へ走って行った。そして、１匹の羊に飛びついた。ルーシーは、リトルが羊を襲おうとしているのではないかと思って放牧場の中に入って行った。ルーシーは、リトルが飛びついた羊がスノーフレイクだったことが分かった。帰りに、アーサーは、リトルに、「なんとか買い戻そうな。」と言った。
いよいよ、ゴーラーへの出発の日、荷物を積み終わったら雨が降り出した。通り雨ですぐに上がった。そして、ポップル一家と荷物を乗せた牛車は出発した。オーストラリアに上陸して４年半が経った秋の日だった。前方には、大きな虹が出ていた。ようやく、希望の虹の橋を渡ろうとしていた。

第４６話 「穴の中のウォンバット」

第４７話 「とうさんの決意」

第４８話 「大金持ちの子に・・・」

第４９話 「クララの結婚」

第５０話（最終回） 「虹に向かって」

第４６話　「穴の中のウォンバット」

第４７話　「とうさんの決意」

第４８話　「大金持ちの子に・・・」

第４９話　「クララの結婚」

第５０話（最終回）　「虹に向かって」